花の贈り方ガイド

2021/05/16 16:01


お花に立てる名札には、その花が『誰から届いたのか』を明確にする目的があります。
『熨斗(のし)』と同じ意味合いがあります。
お祝いやお供えの花贈りシーンで名札の書き方やマナーが異なりますので、花贈りに慣れていない方は戸惑ってしまう方もいらっしゃいます。当店にも名札の書き方に関するお問い合わせがお客様から多く寄せられますが、ここではこれまでお客様からお寄せいただいた名札の書き方に関するご質問をポイントを絞って解説していきたいと思います。






お祝いの名札に書く、基本情報は以下の3つです。

①表書き
②お届け先様のお名前
③贈り主様のお名前

①と③は必ず記載しますが、『②お届け先様のお名前』は書いても書かなくても、マナー上は問題ありません。
但し、お届け先様のお名前を記載することで、開店などの場合には『お店の宣伝効果』も期待できるのでお届け先様に喜ばれたりもします。



◆①表書きには下記のような文言が用いられます

・『祝』
・『御祝』
・『祝 御開店』、『御開店祝』、『祝 ご開店』
・『祝 御開業』、『御開業祝』、『祝 ご開業』
・『祝 御開院』、『御開院祝』、『祝 ご開院』
・『祝 御移転』、『御移転祝』、『祝 ご移転』
・『祝 オープン』
・『祝 ○○周年』
・『祝 還暦』、『祝 米寿』、『還暦祝い』

『祝』や『御祝』だけでも失礼にあたるという事はありませんので、迷われてしまった方はどんなご用途にも合わせられる『御祝』などが無難だと思います。






◆②お届け先様のお名前

お届け先様のお名前は必ず記載しないといけないという決まりはありませんが、お祝いのシーンでは記載することが多いです。
お店の開店であったり、病院や介護施設等の開院など、周りの人に開業したことをお知らせする『お店や施設の宣伝』という効果も期待できる為、記載するほうがお届け先様にも喜ばれます。






◆③贈り主様のお名前


贈り主様(ご注文者)のお名前は必ず記載するようにしましょう。
これは、お届け先様にお花が届いた時に『誰から届いたのか』を明確にする目的があるからです。

開店祝いなどの場合は、お店にはたくさんのお花が届けられることが多い為、名札が立てていないとお店の方が後から誰から頂いたお花なのかが分からなくなってしまう恐れがあります。お店の方がお礼やお返しをされる際に困ってしまうことにもなりますので、贈り主様のお名前は必ず記載してください。





◆お届け先様のお名前を記載しないパターン

お届け先様のお名前を省略して、贈り主様のお名前だけを記載しても問題はありません。

贈り主:『株式会社 秋桜商事 代表取締役社長  秋桜太郎』









基本的にお供えの名札にお届け先様の名前は記載しません。
表書きと贈り主様のお名前(ご注文者)だけを記載します。



①表書き
②贈り主様のお名前





◆①表書きには以下のような文言が用いられます

・『御供』、『敬供』
・『御霊前』
・『御仏前』

お悔やみの花は、お届け先の地域の風習や文化によって多少異なるケースがありますので、よく分からない場合は『御供』と記載する方が無難で間違いがないと思います。
また、故人様が亡くなられてから四十九日までの間にお供えする場合は『御霊前』とし、四十九日を過ぎると『御仏前』とすることが一般的です。




◆②贈り主様のお名前


お供えの名札には原則的に『お届け先様のお名前』は入れません。
贈り主様のお名前だけを記載するようにしましょう。




◆個人名のみ  『御供 秋桜太郎』


名前はフルネームで記載することがマナーです。



◆ご夫婦の場合  『御供  秋桜太郎 花子』
ご夫婦の場合は『姓+連名(太郎  花子)』



◆連名の場合     『秋桜太郎 藤花子 牡丹一郎』
連名の場合もフルネームでそれぞれの名前を記載しましょう。




◆企業名の場合  『株式会社秋桜商事 代表取締役社長 秋桜太郎』
法人で贈る場合は『会社名+肩書+名前』を記載します。







名札は必ず付けないといけませんか?

名札は必ず付けないといけないという事はありません。
お供えの花であっても家族へ贈る場合などはあまり仰々しくしたくないという方もいらっしゃいますので、そういった場合には名札なしで承ることもできます。



名札とメッセージカードの使い分けを教えてください。

名札(立札)とメッセージカードはいずれもその花が『誰から届いたものか』を明確にする役割があります。
名札(立札)は、個人間での花贈りで用いても全く問題ありませんが、特に法人様が企業間で花を贈るシーンでよく使われます。
逆にメッセージカードの場合は、一般的に個人間での花贈りのシーンに使用するケースが主です。メッセージカードは名札と違い、一言メッセージを添えるだけで、堅苦しさがなく柔らかい印象を与えてくれる・・・という理由からメッセージカードを選ばれる方が多いようです。

もちろん、上記に関わらずどちらをお選びいただいても構いません。お届け先様とのご関係や間柄などに応じて判断されてください。